第3級陸上特殊無線技士試験に合格したので何に使うか考えてみたらドローンの無線通信について沼が広がっていた

ロスジェネ雑記
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何に使うか考えずに受験したんかいっていうアレは置いておくとして。あと、試験対策としては4アマ試験の内容が理解できてれば以下のような無料アプリで過去問の正解率100%になるまで何周かしておけば余裕なので置いておくとして(雑)。

‎二・三陸特
‎第二級および第三級陸上特殊無線技士の過去問アプリです。 直近6年分(18回分)の過去問が実施できます。 各問題に関する解説等はございません。 過去問を中心に取り組まれる方や、書籍等で一通り学習した後で力試しとして過去問に取り組まれる方、それぞれにあった方法でご活用ください。 ※本アプリは「公益財団法人 日本無線協...

ググってすぐに見つかるのはドローンの操縦についてですね。でもこないだビックカメラのドローン売り場を眺めてみたら無線の免許が要らないドローンしか売ってなかったし、どういうことかと思って調べてみたら総務省のページ出てきた。

総務省 電波利用ホームページ|その他|ドローン等に用いられる無線設備について

整理すると以下の様になるかな(「カメラを搭載していて、撮影中の映像を地上でリアルタイムに確認しながら飛ばせるドローンを業務に利用する場合」を前提としています)。

1.現時点(2019年3月)では、ドローン操縦免許のような公的な資格はない。あるのは民間資格のみ。

2.ドローンの操縦やデータ・画像の転送に一定の電波を利用するものについては無線局免許と無線従事者資格(第3級陸上特殊無線技士以上)が必要になる。

3.ただし、現時点(2019年3月)で家電量販店などで販売されている技適マーク付きのドローンは『2.4GHz帯小電力データ通信システム』を利用したものであるため、無線局免許や無線従事者資格は不要である。

で、今後これが変わるみたい。更にググってて見つけたのは、国土交通省が作成した資料資料(PDF)。この中に以下の様な記述と図がありました。

現在市販されているドローンは、無線局免許を必要としないWi-Fi機器等が用いられているものが多く、より高画質で長距離の映像伝送等、電波利用の高度化・多様化に関するニーズが高まっている。

現状でのドローンは2.4GHz帯の『小電力データ通信システム』を利用してるけど、それとは別に2.4GHz帯と5.7GHz帯に『無人移動体画像伝送システム』っていうの整備したから、今後はそれに向かおうぜみたいなことが書いてある。

現状でのドローンの使い方って、原則として操縦者が目視できる範囲内じゃなきゃだめなんですよ(航空法132条の2)。でも今後のドローンニーズではそういった範囲を越えて遠くまで飛ばしつつ高品質な映像を伝送できるようになることが想定されているので、『小電力データ通信システム』じゃ色々と足りないということみたいです。

で、ドローンの画像伝送通信距離を現状の大体300mから大体5kmくらいまで伸ばしたりしようとすると当然アンテナ電力を増力せざるをえず、そうなると「電波が周囲に及ぼす影響が小さいから無資格でもいいよ」って訳にはいかなくなるのね。

電波が周囲に及ぼす影響ってどんなことなのかというと、端的に言えば通信障害です。

通信に利用できる電波の周波数は無限ではなく、それぞれの周波数がどんな目的の通信に利用されるのかを交通整理しておかないと収集がつかなくなっちゃうの。具体的にどんな整理のされ方をしているのかは総務省のページにまとめられています。

総務省 電波利用ホームページ|周波数割当て|使用状況の詳細(令和6年3月1日現在)

例えばこんな感じ。

2.4GHz帯の『無人移動体画像伝送システム』 は上図の左下にあって、ご覧の通り【無線LAN等】と被っています。なので、無資格者が周囲の電波状況を把握せずにドローンを飛ばすことで無線LANに障害を与えたり、逆に無線LANの基地局近くでドローンの通信が障害を受けてコントロール不能に陥ったりという危険があるってことに(目視範囲内だったらまだ何らかの対応ができそうだけど、そうじゃなければ何もできずに墜落&行方不明だよね)。

だから、アンテナ電力が増大されて目視範囲外でもカメラ画像を見ながら飛ばせるようなドローンについては無線従事者資格を必須にしましょうってことなのね。今後そういうドローンに関わろうという人は 第3級陸上特殊無線技士を取得しといてもいいんじゃないかしら。

一方でこれまで通り比較的短距離で目視飛行させるだけの場合には改めて無線従事者資格を取得する必要はないよね…と思ったら、これはこれで変わる可能性があるらしい。というのも2.4GHz帯ってもう地獄らしいんですよ。

ググってたら一般社団法人日本ドローン無線協会さんの【2.4GHz帯ドローン無線運用の落とし穴】っていうPDFが見つかってですね…。こちらの資料によると2.4GHz帯は『電波のゴミ箱』と呼ばれるほどしっちゃかめっちゃかに混み合っていて、ドローンの操縦通信が途絶するリスクが相当程度あるとのことなのです。

となるとドローンは2.4GHz帯の通信障害に負けないようにアンテナ電力を増力するかこの周波数帯を避けて5.7GHz帯を利用するかした方がよいことになり、どちらも『小電力データ通信システム』ではなくなってしまうので無線局免許と無線従事者資格が必要になる…ってことになるように見えるの。どうなのかしらね。

なお、5.7GHz帯も別に空いてはいません。こっちはこっちでやっぱり【無線LAN】とかと被ってる。ただ、この周波数までくると近くの電波との干渉が少なくなるそうなので2.4GHz帯よりはマシなのかな。

で、2.4GHz帯にも5.7GHz帯にも無線LANがあるのはなんでじゃろと思ったら、これ例の『Wi-FiのSSIDにaとかgとかあるやつ』そのまんまでした。2.4GHz(Wi-Fiのg)は障害物には強いけど干渉に弱く、5GHz(Wi-Fiのa)は干渉には強いけど障害物には弱いってやつ。

ってことは、ドローンとの通信に5.7GHz帯を使うと障害物に弱くなる?それはそれで困りますね…。

調べれば調べるほど「これ!」っていう正解がなさそうなので、その道の人に教えてもらいながら新しく分かったことがあれば追記します…。

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