種子島ロケットコンテスト2019に行ってきたよ(後編)

宇宙開発

中編はこちら。

5.閉会式・技術者交流会

競技2日目の終了後、夕方からは閉会式です。

てっきり閉会式の最中に各部門の順位発表があってそれから交流会に入るのかと思ってたら、簡単な閉会式の後にさっそく交流会に突入してみんなが飲み食いしてる中での各部門の順位発表だったのでちょっと驚いた。

会場には、南種子町の皆さまが用意してくださった美味しい食べ物がいっぱいありました。写真だとキッチンペーパーで隠れちゃってるけど、安納芋で作った大学芋は特に人気だったな。

会場となってる体育館の照明(水銀灯)の影響であんまり美味しそうな色に写らなかったのがめっちゃ無念。

学生の皆さんが出場機体を持ち寄って見せっこしながら歓談している様子はとても良いものでありました。そんな和気あいあいとした雰囲気の中で突如始まる各部門の順位発表!

【ペイロード部門 CanSat come-back コンペ】にて、SOMESATチームが優勝となりました!

目標地点に0メートルゴールしたチームは他にもあったので、それ以外の部分も総合的に評価していただいての順位のようです。

順位発表後は他チームとの記念撮影や高専生・高校生の皆さんからの質問を受けるなど、にわかに忙しい感じに。また、様々な賞の発表を機に各受賞者の皆さんを起点として新たに会話の輪が広がっていたので、こういうスタイルの順位発表も良いものですな。

SOMESATチームとしては「小型超軽量の機体でCanSat come-back コンペで優勝を狙うこと」の達成に加えて「入門機・学習機として開発中の標準的な機体がきちんと動作することを実証し、CanSat競技への間口を広げること」へつなげていける成果となり、大満足です。

公式な各種表彰結果は以下をご覧くださいな。

6.ワークショップ

3月9日(土)。閉会式から一夜明けて、この日は各部門の上位チームによる発表がワークショップとして行われます。SOMESATチームも昨晩の優勝後に発表内容を練り、【宇宙をもっと身近に ~標準バスの開発とキューブサットへの道~】(※1、※2)というタイトルでお話をしました。

スライドはこちら。

CanSatに興味を持ってくれた人たちが競技に参加しやすく、開発スケジュールも無理のないものとできるように、半完成状態の入門キットや必要最小限の機能を持った標準バスを用意する構想です。

質問タイムには「あまり至れり尽くせりな入門キットを用意してしまうと、貴重な『失敗する機会』や『先輩から後輩へのノウハウ伝承の機会』まで奪ってしまうことにならないか」とのご意見もありました。

もちろん失敗を通じてノウハウが得られていくことは重要ですが、基礎部分でつまずき過ぎて競技への参加を諦めてしまうというケースが生じることは勿体無い気がします。

入門キットをベースにしつつ独自ミッションを盛り込もうとする際にも失敗の機会はあるでしょうし、ある程度CanSat制作に慣れてきてから入門キット部分の自作に挑戦するというルートもあるので、その際に先輩から後輩への技術伝承も必要になるかなと思いました。

また、今回SOMESATチームが試験を行ったLoRa変調による無線通信は省電力送信機&小型で安価なアンテナで人工衛星と地上との通信を可能にする技術なので、こういった技術にCanSat競技を通じて当たり前のものとして触れていくことで、その先にあるCubeSatや更に大型の人工衛星開発にも繋がる可能性があります。

せっかくCanSat競技に参加するならこういった「その先に何があるんだろう」って技術にどんどん触れていける環境があると楽しそうですね。

これらについては今後のSOMESATの活動でも引き続き検討し実現に向けて動いていくことになりそうです。

7.終わりに

この大会という締切を設定してプロジェクトを進めること・一発勝負でやり直しが効かないことは学生の皆さんにとって得難い経験になるでしょうね。

それはそれとして3月上旬とは言え種子島の陽射しはめっちゃ強いので、気温が低く長袖を着ていても屋外に出ていれば顔がめっちゃ日焼けします。つば付きの帽子や日焼け止めがないとかなりキツいことになるから要注意やで!

※1

バスとは…『バス機器』と呼ばれ、人工衛星の基本的な機能(電源や姿勢制御など)を司る機器と構造一式のことを指します。これに対して、人工衛星ごとに定められている目的達成のための機器や構造のことを『ミッション機器』と呼びます。

例えば、気象衛星ひまわり8号・9号準天頂衛星みちびきは同じバス機器を利用しているので外見が似ていますが、それぞれ気象観測と測位信号送信という別々の目的に応じたカメラやアンテナをミッション機器として備えているという感じです。

CanSatの標準バスを開発しようということは、入門キットで学んだ人が次のステップに進む際に「とりあえずこの規格をベースに作り始めればなんとかなる」という機器と構造一式をテンプレとして用意しようということです。

※2

CubeSatとは…1辺10cmの立方体サイズを基本とした超小型の人工衛星です。実際に宇宙空間で様々な実験や活動に使われています。

CanSatは空き缶サイズの模擬人工衛星ですが、CanSat競技で得たノウハウを元に本物の人工衛星であるCubeSat制作へつなげるにはどんな活動をしていけばよいのか、考えてみると面白い。

宇宙開発無線
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書いてる人

大学卒業後に塾講師のアルバイトをしながら旧司法試験の勉強をしていたら、なぜかエロゲ制作会社に入社し、その後社長に→破産処理。

今はデザイン系の会社で新規事業開発のディレクターとかバックオフィス業務改善のマネージャーとかを担当しています。普段は茨城県水戸市のコワーキングスペースでリモートワークしつつ、週に2日ほど都内のオフィスに出勤するスタイル。
宇宙開発とか好き。

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さむいし。

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